ゴールを奪うのに不足する“我”の強さ
一方で、プレミアリーグでは“我”の強さも必要だ。先制点を挙げたバーディーのゴールの場面。岡崎はエリア内の中央でボールを待ち、パスが入ればゴールを決めていたはずだ。しかしレスターのエースは難しい角度からゴールを狙い、実際に先制点も決めている。
好対照は41分の岡崎のプレー。左サイドでボールを奪うとそのまま前方へ走りこみ、DFと1対1で対峙する局面に。エリア内で勝負を仕掛けてもよかった場面だが、最後は中央のマフレズにパスを出し、あっさりとクリアされてしまう。あの場面、バーディーやマフレズならば自ら仕掛けていたのではないだろうか。
岡崎の良さは、周りの状況を見て最善のプレーを選ぶクレバーさにもある。しかしながら、より貪欲に、強引にゴールを狙っても欲しい場面でもあった。この試合で45分間プレーした岡崎のシュート数は0本である。
アーセナル戦の岡崎は、これまでよりも前線で張る時間は長く、裏への動きも積極的に挑戦しており、本人も「簡単にやれるところはやって、勝負する時は勝負してっていうのがうまくできていた」と振り返っている。しかし同時にこうも続けた。「失敗もするけど、勝負するってところにやっぱりカギがあって、そこは今日できていたので。それだけでも、進歩かなと思う」と。
さらに「前に行く力というのは、今日はあった。今後また自分のパフォーマンスを上げるポジティブな試合だったと自分は思います」や、「残念ですけど、次につながる交代というか45分だった」といった言葉が続いている。
【次ページ】強敵相手に掴んだ手応え。アピールにはゴールを