アーセナルに敗戦のレスター。悔しい気持ちを抑えた岡崎
現在の岡崎慎司の状況は正直、記者泣かせである。先発出場が続くが、十分なプレータイムをもらえずに、自分の望む結果を出し切れない。さらに、それでも後ろ向きのコメントはせずに、あくまで「焦らない」というスタンスを崩さないからだ。
ゴールやアシストといった目に見える形で結果が出ていない今、苛立ちや監督に対する批判コメントを残してくれれば、記事の構成はグッと楽になるのだが…。
アーセナル戦後もそうだった。結果だけを見れば、この試合も含めて直近のリーグ戦4試合で不完全燃焼が続いている。ボーンマス戦では途中出場(後半の45分間のみ)、アストンビラ戦は前半のみで交代。前々節のストーク戦は63分までプレーしたものの、アーセナル戦では再び前半45分のみのプレーでベンチに退いている。
しかし岡崎は、悔しい気持ちをこらえて「これが今の自分の立ち位置なので」と大人のコメントを残している。
とはいえこのアーセナル戦での交代は、本人にとっても相当残念だったのではないだろうか。この日の岡崎の動きは鋭く、ゴールを決めそうな雰囲気をプンプンさせていたからである。だからこそ、もっと貪欲にゴールを狙ってほしかった。
ビッグクラブを相手に気持ちは乗っていたかもしれない。序盤から前線で精力的に動き回り、敵の中盤にボールを持つ余裕を与えない。「カソルラやあの辺が、後ろに下がってゲームメークするんで、そこだけ見ていてくれという感じでした」との言葉どおり、8分には素早いプレスでカソルラからボールを奪うなど、積極的に敵にプレスをかけていた。
そして前半13分にチームが先制。しかしその後、18分と33分にアーセナルの切れ味鋭い速攻に守備陣がついていけずに2失点、逆転を許してしまう。だがその間も岡崎は溌剌とピッチを駆け回り、好守が素早く入れ替わるエンターテインメント性の高い試合展開の中で、存在感を示していた。