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Jリーグ 9年前

サッカーは野球に勝てますか?【教えて、野々村社長!―03】

シリーズ:教えて、野々村社長! text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

新しいドラマをつくる感覚を根付かせられるか

――子どもが好きなスポーツでもサッカーが野球を追い抜いているというデータもあります。

サッカーは野球に勝てますか?【教えて、野々村社長!―03】
「楽しむ以上のドラマをみんなでつくっていくような楽しみ方をできるのがサッカー」と語る野々村社長【写真:松岡健三郎】

「もう抜いている。圧倒しているしね。北海道のテレビ局はサッカーをコンテンツとして育てようという感覚がまだまだ少ない。スポーツはみんなでつくっていかなきゃダメなんだけど。やっぱり『勝たねえからだよ』みたいなことが聞こえてくる」

――それはよく聞く言葉ですね。もちろん地方局にもサッカー好きの人はいるはずですが、営利企業である以上、「勝ち馬に乗る」から逃れられない部分もあるかと思います。

「結局水戸黄門みたいな、結末は分かっている、最後は勧善懲悪である種ハッピーエンドで終わるっていうようなときに、ようやく乗っかってくるような感じだと思う。映画なんかも最終的には気分よく終わるから観に行く。

 その気分の良さと、上手くいかないときもあるけど自分も関わってつくったときのその気持ちの良さは全然違う。どうやって育てていく、ドラマをつくっていくという感覚がまだ全然ないと思う。

 出来上がったドラマ、結末が大体分かっているものを楽しむ以上のドラマをみんなでつくっていくような楽しみ方をできるのがサッカー。そのぶんうまくいかなくて腹が立つこともあるかもしれないけど、だけどみんなで成し遂げたときの喜びは他にない。そういう楽しみ方があるんだということをどれだけ分かってもらえるか。これがすごく大事になってくる」

【了】

野々村芳和(ののむらよしかづ)
1972年生まれ。現株式会社北海道フットボールクラブ(コンサドーレ札幌の運営会社)代表取締役社長。慶應義塾大学卒業後の1995年にジェフユナイテッド市原でプロデビュー、2000年にコンサドーレ札幌へ移籍。TV番組「Jリーグラボ」などでの歯に衣着せぬ発言はサッカーファンの間でも話題。

※編集部より:コンサドーレ札幌の野々村芳和社長のインタビュー原稿を不定期連載でお届けしています。野々村社長に聞きたいこと、質問などありましたらフットボールチャンネルのTwitterやFacebookなどでお気軽にお問い合わせください。次回取材時の参考にさせて頂きます。

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