揺らぐミハイロビッチ監督からの信頼
もっとも蓋を開けてみればスタメンは本田、という可能性もないわけではないだろう。個人的にはそうなることを願っているのだが、「トップ下にはたくさんの選択肢がある」とミハイロビッチが言っている以上、本田があのポジションで絶対的な立場を獲得するには至っていないということだ。
戦術に沿っては動けているはずである。守備にはよく走っているし、ウディネーゼ戦の2点目ではサイドに突っ立って動かなかったマリオ・バロテッリの代わりに縦に走ったからこそ、ボナベントゥーラが裏へ飛び出すスペースができた。それでもなお足りないというのなら、それは監督が常々言う攻撃面での物足りなさということになる。
某地元紙ではバロテッリと比較しつつボールタッチの少なさが批判されていたが、それは動いたところに味方が必ずパスをつけてくれるわけではないという事情の反映でもあるだろう。
だがもともと点の出入りが少ないサッカーにおいては、少ないチャンスをどう生かすかということも重要だ。ましてや守備が執拗で、相手が必要とするスペースを容赦なく消すイタリアにおいては、その状況の中でなんとかするというパーソナリティが不可欠だ。
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