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セリエA 9年前

ミハイロビッチが求める「ミランらしさ」。進歩の兆し見せるも…いまだ足りないこととは

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

徐々に形を成してきた『左で崩して右で仕留める』

ミハイロビッチが求める「ミランらしさ」。進歩の兆し見せるも…いまだ足りないこととは
リッカルド・モントリーボをアンカーに起用されたことでビルドアップが改善【写真:Getty Images】

 さすがに攻撃面での要求が強いミランということを意識しているのか、ミハイロビッチ監督はカウンター主体だったサンプドリア時代とは趣を変えてきている。

 試合前のウォームアップでミハイロビッチは11対0のフォーメーション練習を必ずやるのだが、そこでは組み立てのメカニズムがよく分かる。まず起点はアンカー、インサイドMFやボールサイドに寄ったトップ下を経由しつつサイドでコンパクトにパスをつなぐ。そしてゴール前にはFWのほかに、逆サイドにいたインサイドMFをエリア内に詰めさせて、シャドーストライカー的なポジションを取らせる。

 もっとも最初の2戦でこの形は機能していなかったが、リッカルド・モントリーボをアンカーに据えた第3節インテル戦以降は見違えてビルドアップは流麗になってきた。

 もちろん試合中は展開によってはミドルパスで一気に2枚先を狙うこともやるが、選手は基本的にこの流れのもとで動くからそんなアドリブも可能になる。パレルモ戦のバッカの先制点、ウディネーゼ戦のボナベントゥーラの追加点などは戦術的にも理想的の形だろう。

 とにかく『左で崩して右で仕留める』という形で大まかなコンセプトはあったものの、そこに至るまでの形が明確になっていなかった昨季に比べると、進歩は見える。ゴール前での圧力をコンスタントに保証するカルロス・バッカとルイス・アドリアーノの新2トップはさすがで、バロテッリも今のところは強さを発揮している。あとは戦術通りには動けている本田に結果が出れば言うことはないのだが…。

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