勇気を持って前に出たセルタ
南アフリカを破ったエディジャパン、ジェロム・レ・バンナを破った澤屋敷純一、スペインを破った関塚ジャパン…番狂わせが起こるとき、それは決して偶然ではなく勝利を手にした弱者に讃えられるべきゲームプランがある。
リーガエスパニョーラ第5節、セルタはホームにバルセロナを迎えた。昨季バルサと1勝1敗の結果で8位フィニッシュし、今季はここまで3勝1分けと好スタートを切っているセルタを弱者というのは間違いだろう。それでも、たとえホームだとしてもやはり欧州王者に対してはアンダードッグな存在である。
『合言葉は勇気』。この一戦を観ていると、かつて放送された連続ドラマのタイトルを思い出した。
結果は4-1。通常、バルセロナのような破壊力のあるチームを相手にすると、どうしても引いてゴール前を固めることを優先してしまう。もちろん、それは間違いではなく、じっくり耐えてわずかなチャンスを逃さなければ勝利のチャンスはある。
しかし、それは0-0狙いで1点取れればラッキー。ある程度の偶然にも期待しなければならない。この日、セルタが見せた“対バルサ戦略”は失点しないための守備ではなく、点を取るための守備、攻撃的な守備だった。
バルセロナのDFラインがボールを持つと、ノリート、アスパス、ヴァス、オレジャナの前線4人は腰を落として構える。そしてボールが動けばすぐさまプレスを仕掛けた。
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