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セリエA 9年前

トップ下としての意義を問われる本田。指揮官の采配に見える「守備貢献」の限界

text by Keiske Horie photo by Getty Images

持ち味だった「守備」でも指揮官に迷いが

 本田は現地メディアからは「トップ下」「10番」として目に見える攻撃面での貢献が少なすぎると批判を浴びている。それでも、献身的な姿勢と守備面での貢献から指揮官からの信頼を失うことはなかった。

 しかしながら、不調に喘ぐウディネーゼに3点差を追いつかれかねない展開となったことで、ミハイロビッチ監督は“守備面”を考慮して本田を外す決断をせざるをえなかった。センターハーフでプレーすることができない本田をトップ下に置く4-3-1-2を諦め、ポーリを投入することで4-4-2へと布陣を切り替えた。

 これにより、左サイドハーフにボナベントゥーラ、2センターハーフにリッカルド・モントリーボとナイジェル・デヨング、右サイドハーフにポーリという形となった。しっかりと4×2の2ラインを構築したミランは、押し込まれながらも何とか失点を防ぎ勝点3を死守することに成功している。

 守備面の貢献が評価される本田。それでも上下動を繰り返すサイドハーフ、もしくは中盤のフィルター役となるセンターハーフでプレーすることはできない。トップ下としての守備貢献には限界があるのだ。半ばフロント陣からの厳命によって4-3-1-2を維持しているミハイロビッチだが、今回の危機によって迷いがみられたことも事実だ。

 トップ下として出場するからには、どうしても攻撃面での貢献を無視することはできない。守備的なサイドハーフもしくはセンターハーフとしてプレーできるのであれば話は別だが、本田は自身がそういった選手であるとは考えていない。

 現地メディアとファンは既に我慢の限界を迎えている。ミハイロビッチ監督の固い意思だけが支えている状況だ。本田に残された時間は少ない。一試合一試合の”ラストチャンス”でとにかく結果を出すことだけが求められている。

【了】

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