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セリエA 9年前

トップ下としての意義を問われる本田。指揮官の采配に見える「守備貢献」の限界

text by Keiske Horie photo by Getty Images

完全に主役の座を明け渡した「10番」

トップ下の意義を問われる本田。指揮官の采配にも見える「守備貢献」の限界
ミラニスタを熱狂させるマリオ・バロテッリ【写真:Getty Images】

「酷いプレーはしていない」
「守備面で貢献してくれている」

 ミハイロビッチ監督がこう話すように、本田のプレーが指揮官に一定の評価を得ていることは明らかだ。それは、3試合連続先発出場という結果にも現れている。

 それでも「攻撃面でも、もっとできるはずだ」と同監督が話すように、もはや本田の持ち味が“黒子役”となってしまっていることも紛れもない事実である。この日も“2人の主役”の黒子役に走り回る背番号10番の姿があった。

 現在、ミラニスタ(ミランファン)を熱狂させているのは今夏リバプールより復帰したマリオ・バロテッリだ。試合開始早々の5分には、本田の目の前でクオリティを見せつけるFKを沈めた。攻撃の組み立てにおいても積極的に中盤まで降りていき、トップ下の役割もこなしている。

 もう一人の主役を演じているのはMFジャコモ・ボナベントゥーラである。トップ下を本田に任せ自身は左インサイドハーフを定位置としたが、ブレイクしたアタランタ時代を思い出させる輝きを放っている。左サイドから中央、ゴール前まで縦横無尽に駆けまわりミランの攻撃を牽引、これまでリーグ戦で2ゴール2アシストと攻撃の核ともいえる存在だ。この日も記録上はアシストとはならないが、CKからDFクリスティアン・サパタのゴールを演出した。

 攻撃においては、本田はバロテッリとボナベントゥーラのサポートに終始している。同2選手とFWカルロス・バッカのオフザボールに連動してスペースに走りこみ、マークの分散に貢献。自身がボールに触る時間は決して多くなく、直接ゴールやアシストはおろか、シュートを放つシーンも少なかった。

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