ミッドウィーク開催で溜まる疲労
ただ当然、それでいいということにはならない。「我々のファンは要求が高く、サッカーを分かっている。観客のムードを盛り上げるべきは我々であり、我々が観客に盛り上げてもらうと考えるべきではない」。前日会見、ミハイロビッチ監督はそう語り、サン・シーロでのブーイングにも理解を示した。
そして本田に対しては、「攻撃面については良くなってもらう必要がある。もっと(ゴール前で)鋭く仕掛けて、シュートも狙ってほしい。技術はあるのだから、試合でそれを見せてくれさえすればいいのだ」と発破を掛けた。
現役時代からものをはっきり言ってきたミハイロビッチは、監督として選手を指導する上でも率直である。2週に渡って攻撃面での課題を言われている以上、やはり次の試合ではゴールを脅かすようなプレーをしていかなければならないだろう。もちろんこれまでのように、戦術上の要求をこなした上でだ。
だがこのミッドウイークでは、余計にそれが難しくなる。献身的なプレーの後では、当然消耗もあるからだ。
ただでさえ、攻守の両立は難しいといわれる。守備に参加して相手を追い回し、その後で長い距離を走ってゴールに向かえば、疲労は足に蓄積して足元の精度を奪う。守備を重んじるイタリアでは伝統的に攻守の分業が許されたが、それはフィジカルにおける効率上の問題でもある。