中盤2枚との関係性が確立できず
ベテランの余裕か、それともマスコミを警戒して虚勢を張っているのか。岡崎慎司のコメントからは焦りが見られてこない。キーワードは、岡崎が重ねて口にしている、「1シーズンを通して」という言葉にある。
ジェイミー・バーディやリヤド・マレズがゴールとアシストで結果を残すなか、岡崎には2節のウェストハム戦のプレミア初ゴール以来ゴールはなく、インパクトという側面からも、開幕直後のような存在感は薄くなり始めている。
いや、この物言いは語弊かもしれない。存在感はある。積極的に前線から敵をチェイスする岡崎の姿は、首脳陣やファンの脳裏にも焼き付いているはずだ。しかし直近3試合は、後半からの途中出場、前半のみ出場して途中交代、そしてストーク戦では後半19分で交代となっている。絶対の信頼を勝ち得ていない。それが岡崎の置かれた現状だ。
最大の問題は岡崎にとって生命線であるボールが入ってこないことだ。ストーク戦で先発起用された中盤センターの2人は、ダニー・ドリンクウォーターとギョクハン・インラーだった。
前者は、普段よりも縦へのボールが増え、前へ上がる回数も多かった。これまでよりも積極的にファイナルサードでのプレーに絡む意欲は見えたが、パスの精度が低く、躍動感にも欠けた。
一方、中盤と前線をつなぐ役割を期待されたインラーは、ここまではプレミアリーグのスピードとパワーにフィットできていない。それは、ストーク戦後のクラウディオ・ラニエリ監督の言葉からも明らかで、後半にエンゴロ・カンテを中央で使った理由として「インラーよりスピードがあるから」と説明。スイス代表のスピード不足に難色を示していた。