タフな一戦の中で輝いた香川
18分。ドルトムントがカウンターを繰り出す。香川は、左SBウェンデルの裏にロングボールを送る。ホフマンはGKレノを交わして、ゴールに流し込んだ。1-0。ホフマンは「1-0のリードを奪うことは極めて重要だった」と言う。
20分にチチャリートが抜け出したようなカウンターを警戒しつつ、プレッシャーの中でドルトムントはパスを繋ごうとする。ポゼッションを高めながら、シュートチャンスを伺っていく。
そして58分。香川真司が、試合を決定付けた。ホフマンの右サイドからの折り返しを、ギュンドアン、ムヒタリヤンと繋いで、最後はエリア内の香川へ。
DFの寄せは早い。
「余裕がなかったので、強いシュートを打てなかったですし、だからもうトラップしてすぐシュートっていうのを意識してました」
瞬間的な集中と判断だった。ボールは“コロコロ”とゴールの右隅に転がっていった。2-0。
香川のゴールを、ホフマンは「敵のやる気を挫いたね」と振り返った。
60分以降について、トゥヘルは「我々は完璧なゲームのコントロールを奪還した。ファンタスティックなパフォーマンスを行った」と振り返った。
72分、またもレバークーゼンの左サイド後方ーー。ウェンデルが突破するギンターを倒す。主審がペナルティスポットを指す。オーバメヤンが決める。3-0。
変わらずドルトムントはコンセプトを貫き、レバークーゼンに3-0で勝利した。それはスコアの上では快勝に見えるが、タフな試合だった。香川も「すごく緊張感のある試合」と感じた。
そして何よりレバークーゼン戦の中心には、香川の躍動があった。「獰猛なプレッシング・ゲーム」を制した、香川の1G1Aだった。
【了】