スカウティング通りの先制アシスト
「プレッシング」を軸とする2チーム同士の対戦は、ゲームの密度=強度を極めて高いものとした。ボルシア・ドルトムントの監督トーマス・トゥヘルは、前半について「信じられないぐらいインテンシティの高い45分間だった」と振り返っている。
2015年9月20日のブンデスリーガ第5節、ドルトムントはホームにレバークーゼンを迎えた。今季のチャンピオンズリーグに出場しているチームについて、香川真司は「今までとは違うチーム」と感じる。「プレッシング」と「球際」が激しく、「なかなかリズムが特に前半は出にくかった」。
それでもドルトムントは3日前のクラスノダール戦に比べて、プレスの連動と連携が改善されていた。GKビュルキは「この前の試合とは対照的に、今日は僕らのゴールが脅かされる数は少なかった」と語る。
9分、ギュンドアンからバイグルへのパスを、クラマーがカットして、そのままチチャリートに繋げようとする。しかし、ソクラティスとフンメルスは、しっかりとカウンターの芽を摘むいだ。
絶え間ない集中と判断、肉体への負荷??。ホフマンは「僕らはレバークーゼンが獰猛なプレッシング・ゲームをしてくると知っていた」と言う。そしてホフマンの言う「僕ら」=ドルトムントが知っていたのは、それだけではなかった。
14分。香川が右サイドのギンターに大きくサイドチェンジ。BVBはレバークーゼンの左サイドを突いた。前方のホフマンに繋いだボールがエリア内に折り返される。走り込んだ香川が落とす。ギュンドアンがミドルを打つ。枠の左に外れる。
香川は「試合前から空くっていうのは分かっていた」と言う。BVBはスカウティングで、レバークーゼンの左サイド後方が空くことを知っていたのだ。