DFラインからのロングパスが攻撃を活性化
しかし、今回のレバンテ戦では71.4%の支配率で、敵陣で64.68%を記録。支配率とボールを持つ位置が伴ってきたといえるだろう。
その要因となるのは、パスの種類。本来、バルセロナはピケ、マスチェラーノに加えてヴェルマーレンというビルドアップ能力に優れたCBを擁する。そのため、最終ラインからショートパスを中心に攻撃を組み立てることに重きを置いている。
しかし、現在はピケが出場停止でヴェルマーレンが負傷。この日起用されたマスチェラーノとバルトラのコンビは積極的にロングパスを前線に入れる姿勢を見せていた。
ロングパスの本数を見ても、第1節ビルバオ戦が42本、第2節マラガ戦が39本、第3節アトレティコ戦が37本、CLローマ戦が25本という中で、この第4節レバンテ戦は57本と大きく上昇。パス総本数では、674本、655本、708本、719本ときていたため、割合としても665本だった今回が大きく増加している。
後方から積極的にロングパスを入れることで、中盤から前線はより多くボールを受けることができた。その結果、相手の守備陣の脅威となるプレーを多く実践することができた。
とはいえ、第2節マラガ戦とCLローマ戦でも敵陣で60%以上を保つことはできていた。それでもこの2試合は1-0、1-1に終わり、今回は4-1という結果を手にした。その違いは、リオネル・メッシにあるだろう。
ここまでのメッシは、途中出場となったアトレティコ戦では圧巻のパフォーマンスを見せたものの、先発した3試合では十分とはいえない働きだった。得点もアシストも決めることができず、特にCLローマ戦では武器であるはずの1対1で“わずか”6回しか相手を抜くことができなかった。
もちろん、普通の選手であれば6回は十分に優れた回数である。しかし、メッシは常に10回以上相手を抜いてゴールやアシストでチームに勝利をもたらしてきた。この6回という数は極端に少ない回数といえる。