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C・ロナウドが輝けなかった3つの理由。支配率、モドリッチ、ベイル…その原因とは?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ベニテス監督はロナウドを生かす術を見つけられるか

C・ロナウドが輝けなかった3つの理由。支配率、モドリッチ、ベイル…その原因とは?
ラファエル・ベニテス監督【写真:Getty Images】

 最後に、ベイルの不在。ベイルがCLでの負傷によって欠場となったため、この日は2列目をロナウドとイスコ、ルーカス・バスケスが組んだ。

 まず、イスコはドリブル、パス、トラップ、テクニック全てにおいて高次元の選手であり、そのポテンシャルはロナウドやベイル、モドリッチ、クロースらマドリーの中心選手にも匹敵する。

 そして、どちらかといえばしっかりとボールを持ってプレーすることで力を発揮するイスコは、今回のような支配率の高い試合でこそ貢献できる選手である。いうなれば、“純正のスペイン人選手”ということだ。

 それが故にロナウドとの横関係での相性はあまり良くないのかもしれない。ドリブルはスピードより技術を駆使するため、相手DFを崩すというより間を抜ける形となり、ボールを保持する時間が長くなる。ロナウドのリズムとは合わない可能性が高い。

 よりダイナミックにプレーできるベイルの方が、ドリブルでロナウドの使うスペースを空けることや、ベストなタイミングでのパスを出すことができる。イスコは昨季同様に少し下がり目の位置でプレーした方がやりやすいのかもしれない。

 また、ルーカス・バスケスはより純粋な右ウインガーのため、2列目の3人でのポジションチェンジがあまりスムーズにできていなかった。エスパニョール戦で2列目3人のアクションエリアを見ると、3人とも中央が最多だったが、この日のバスケスは右サイドが58.67%と圧倒的に多かった。

 以上の3点を挙げたが、単純な理由で選手の特徴が良い方にも悪い方にも転んでしまうのは、まだまだチームとして完成されておらず、選手の個人能力頼みとなっているということ。

 例えば、アンチェロッティ監督が率いていた昨季までは相手が守備を固めてもロナウドは複数得点を取る試合が少なくはなかった。それは、チームとして機能していたからに他ならない。

 とはいえ、それは開幕間もない現在では当たり前のことでもある。今後、ベニテス監督がどのようにロナウドを生かすのか、その結果が自らの首をつなぐカギとなるだろう。

【了】

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