10番の仕事ではない「守備」。それでも指揮官は評価
昨日の記者会見でも、「トップ下は不安ではないのか。本田は守備が良くても攻撃が不出来だったが」という質問が地元記者のあいだから飛んでいた。それに対してミハイロビッチ監督は、本田を次のような言葉で擁護した。
「真摯なプロフェッショナルで、オフ・ザ・ボールの動きに犠牲を払っている。それは他の選手たちも分かっている。インテル戦ではもっと攻撃面でやってくれても良かったが、(攻撃のための)技術はある。おそらく彼自身、心理面で壁を破るきっかけが必要なのかもしれない。ただそのうち、技術は自ずと表に出てくるはずだ」
本来10番の仕事ではないはずの守備を褒めるなんて、と思われるかもしれないが、ミハイロビッチの戦術の上ではそれで良いという判断なのだ。彼が指導した過去のチームを振り返ると、イタリアでは守備の免除が認められがちな前線の選手にも、プレスに参加させている。ここで本田が守備放棄などをしたら、それこそ監督からの信頼を決定的に失うことになるだろう。
ただ問題は、攻撃面での存在感の希薄さである。これについてはどう解決をするのか。「彼には攻撃のための技術はあるんだ」とミハイロビッチ監督は本田について擁護した上で、攻撃陣全体として「シュートまで行けると思ったら、別のプレーの選択肢を選んでしまっていることがある」と分析。
そのために練習では「ミドルシュートや、狭いゾーンでのコンビプレーに重点を置いた」と語ったが、果たして本田がそれをトップ下として演出できるかどうか。
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