1億円の営業収益に対するチーム人件費の金額は?
細かいことを言えば、多少異なる部分も出てきますが、敢えてわかりやすさを重視して説明しますと、数式中のαはチーム人件費における「固定費」で、βが「変動費率」となります。要するに2013年と2014年のチーム人件費においては、どのクラブも平均的に約5億500万円を固定費として見なし、そこへ営業収益の31%の人件費を変動費として上乗せしていることです。1億円の営業収益に対して、3100万円をチーム人件費へ回す計算ですね。今回行った分析では、ほとんどの推定値について有意水準5%で統計的な有意性を確認していますが、標準誤差の値が大きいものもある点にご留意ください。
これらをシーズン別に分けて解析すると、ある傾向がわかります。2013年は固定費が約4億5000万円で変動費率が約33%だったのに対して、2014年は約5億4300万円、約30%となっています。固定費とは「基本給」と「出場・勝利給など」に分別される選手の年俸のうち、パフォーマンスや結果に影響されない前者の合計といえばわかりやすいでしょうか。
2年間だけの数字の解析なので一概にトレンドと表現できない部分はありますが、チーム人件費において固定費が占める割合が上がってきているのではと、私自身は感じています。ただこちらについては、さらに以前のデータを解析する必要があります。(続きは『フットボール批評07』でお楽しみください)