自身の原点に戻ったヨーロッパ組との時間
もっとも、及第点を与えられた中国戦のパフォーマンスに、米倉は満足していない。
「初代表ということで、攻撃面でいいところを出そうとアグレッシブにいきましたけど、守備の部分で疎かにした部分がけっこうあった。サイドバックでプレーする以上は、まずは守備ありき。これからは(中国戦のようなプレーは)許されないと思うし、しっかりと守備をしてから、バランスを考えながら自分のよさを出すことを意識していきたい」
ワールドカップ予選における左サイドバックは、2試合とも長友佑都(インテル)が先発フル出場。長友の控えとしてスタンバイしていた米倉に、出場機会は訪れなかった。
「守備のときの体の向きの違いこそありますけど、攻撃に関しては右でも左でも特に問題はありません」
左サイドバックをポジティブに受け止めている米倉は、長友をはじめとするヨーロッパ組と初めて同じ時間を共有した9日間で、自身の原点に戻って彼らの一挙手一投足を見つめていた。
「長友さん? いや、もう全然ですよ。海外のトップリーグで、トップレベルのプレーをしている選手なので。少しでもいいところを盗めればいいかなと」
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