ドルトムントの“中継役”として機能する香川
昨季の4試合でフンメルスから香川へ渡ったパス本数はHSV戦7本、ケルン戦6本、バイエルン戦3本(シュトゥットガルト戦はフンメルスが途中出場のため対象外)。平均は5.3本。
今季はボルシアMG戦11本、インゴルシュタット戦9本、ヘルタ戦13本、ハノーファー戦13本で平均が11.5本。1試合につき、6.2回も増えている。
香川がパスを受けた回数自体が昨季よりも増加しているため、フンメルスからパスを受ける回数が増えることも当然といえる。それでも、パーセンテージで見るとフンメルスからのパスは昨季が13.2%だったのに対して今季は21.3%となっていた。
やはり狙いとして、フンメルスから香川へダイレクトにパスを入れる形を取り入れているということ。そして、香川とより近い位置でプレーするムヒタリヤンとシュメルツァーとのトライアングルで左サイドの攻撃を作り上げている。
今季、開幕から4試合で15得点という圧倒的な攻撃力を生み出している要因の1つとして、この香川とフンメルスの縦関係が重要な役割を担っている。
そして、香川はドルトムントでの第1期と昨シーズンはトップ下としてゴール正面に近い位置でプレーしていた。特に第1期にセカンドストライカーとしてゴールを量産できていた要因には、この起用法もあるはず。
しかし今季は、より開いた位置から攻撃のスターターとなるフンメルスと前線のムヒタリヤンやオーバメヤン、ロイスをつなぐ“中継役”として攻撃を組み立てる役割を担っていると考えられる。
今後、以前のような20得点近いゴール数を挙げるようなパフォーマンスはできないかもしれないが、ドルトムントの攻撃の多くは香川を経由すると言われる存在となるかもしれない。
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データ提供:Wyscout