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香川真司 9年前

データで読むドルトムント。カギ握る香川とフンメルスの“関係性”。新システムの狙いとは?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

最大の見どころはフンメルスと香川の縦関係

データで読むドルトムント。カギ握る香川とフンメルスの“関係性”。新システムの狙いとは?
パスの流れ(図2)

ただ、この香川のポジション変更の最大の利点は他の部分にある。次に参照するデータ(図2)は、パスの流れを示したもの。より多くのパスが行き来した選手間は、より太い線が引かれている。

まず、香川がパスを受けた回数を集計すると、昨季の4試合はシュトゥットガルト戦52回、HSV戦39回、ケルン戦44回、バイエルン戦26回。1試合平均40.25回となる。

一方で今季の4試合はボルシアMG戦53回、インゴルシュタット戦44回、ヘルタ戦65回、ハノーファー戦54回で平均が54回。1試合につき、13.75回増加している。

もちろん、これはマンチェスター・ユナイテッドから復帰したばかりの昨季はまだ周囲との連係が確立されていなかったことも要因となるだろう。それでも、クロップ監督からトゥヘル監督へと代わった今季、よりパスをつなぐ姿勢を出していることも影響しているはず。

そして、もう一度パスの流れを示す図に目を向けてみると、最も目を引くのが香川とCBマッツ・フンメルスをつなぐ線だ。

香川が左に配置されることでフンメルスとの位置関係は縦とすることができている。そうすることによって、世界屈指のビルドアップ能力を持つフンメルスから香川へダイレクトにパスを供給する形が成立している。

近年のサッカーシーンにおいて、相手の組織を崩すためには“1つ飛ばすパス”が重要視されているが、この香川とフンメルスの関係がまさにそれだ。なにより、世界でもトップクラスの攻撃センスを持つこの2人が“1つ飛ばすパス”を成功させれば、相手の組織を崩すのは難しいことではない。

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