決して諦めることなく挑み続ける「戦士」のスピリッツ
今季、序盤から好調である理由についてマテュイディ本人は「センターライン付近に留まってプレーすることを意識していた昨シーズンまでよりも、もっとサイドや敵陣に思い切って踏み込むプレーをしている」と語っている。
90分間まったく落ちないスタミナを武器にするマテュイディだからこそ可能なユビキタスなプレーだ。
指揮官にとって、劣勢の場面であっても「こいつがいてくれれば何とかなる」と思わせる選手というのが必ずチームに1人か2人いるものだが、アンチェロッティ、デシャン、ブランにとってマテュイディはそんな選手だ。
トロワの育成所に通っていた10代の頃に知り合ったガールフレンドとの間に3人の子供をもつ父親でもあるマテュイディは、現在リーグ1所属のフランス人選手ではナンバー1、NBAのスター、トニー・パーカーら他競技を含めたフランス人アスリート年収番付でも10傑に入る高給とりだが、それは彼自身の力が可能にした報酬だ。
ピッチ上でのパフォーマンスだけでなく、決して諦めることなく挑み続ける「戦士」のスピリッツをもつマテュイディは、チームの士気をマインドリーダーでもある。
28歳と、キャリアのピークにある。今季、マテュイディは観る者を驚かせるパフォーマンスを見せてくれそうだ。
【了】