アンチェロッティ監督のもとで大きな成長遂げる
2012年からはディディエ・デシャンが引き継いだが、そこでもマテュイディはデシャンの懐刀の一員として毎試合重要な役割を担っている。
PSG入りしたのは、カタール陣営が経営に参画し『ビッグクラブ化計画』がスタートした初年度。つまり彼は、新生PSGの立ち上げメンバーだった。
海外のビッグネーム獲得を画策していたPSGにおいて、マテュイディは自国フランス人選手の象徴であり、未来のスター候補である彼を手元に置くことは、フランスクラブの面子を保つ上でもとても重要な意味があった。
当時を振り返って、先日のレキップ紙とのインタビューでマテュイディはこんな風に語っている。
「トレーニング場にいったら、ビッグな選手ばかりで少しビビった。でも自分がここにいるのなら、それは意味があるからだと思うようにした。そして自分に与えられたこのチャンスを最大に活かさなくちゃいけない、と誓った」
マテュイディの成長に大きく影響を与えた人物といえば、2011-12シーズンの冬に監督に就任したカルロ・アンチェロッティだろう。
彼は就任直後から自分の求めるチーム構築においてマテュイディは不可欠なメンバーであると語り、相手からのボール奪取からの攻撃展開というプレーロールを徹底して仕込んだ。
アンチェロッティがフルで指揮をとった翌シーズン、マテュイディは全コンペティションあわせてこれまでにはありえなかった8ゴールという得点を挙げているが、オフェンス時には思い切って前線にあがり、ときにはゴール前まで詰めるといったプレーの幅を与えられたことが大きな要因だ。
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