ブレることなくスタイルを貫く自信
清武が振り返るように、「流れ」はドルトムントに傾いていく。対照的に香川は「また自信と勢いが付いた」と感じたが、このPKこそが、ハノーファー対ドルトムントのターニングポイントだったのかもしれない。
44分、ギンターの右サイドからの折り返しを、ムヒタリヤンがダイレクトで叩き込んだ。2-1。
52分にはハノーファーが再びソビエフのゴールで追いついたが、ドルトムントの「自信」は揺らがない。2-2。
66分。香川から、右サイドの奥、ギンターへ。ギンターが折り返す。トレヴィザンのオウンゴールを誘う。3-2。香川がギンターに送ったボールを、有料衛星放送Skyは「魔法のパス」と評した。
「チームとしてもやるサッカーは明確であったので、本当に落ち着いてやれていたと思います」
ドルトムントはスタイルを貫き続けた。ブレることはない。
84分。香川の左からのクロスに、トレヴィザンがハンドを犯す。PKをオーバメヤンは、ど真ん中にチップキックでふわりと決めた。4-2。あまりに落ち着いたキックを、有料衛星Skyは「冷徹」と評した。
ドルトムントに対して、ハノーファーは好ファイトを演じた。それは間違いない。監督フロンチェックは「我々は全てを捧げた」と振り返った。しかしハノーファーの抵抗を、ドルトムントは力で押し切った。
ドルトムントが改めて強さを示した、ハノーファー戦だった。
【了】