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全てを変えたメッシの29分間。バルサの強さを取り戻させた凄み。その裏にある危険度

リーガエスパニョーラ第3節、バルセロナはアウェイでアトレティコ・マドリーと対戦。苦しみながらも2-1で制して開幕3連勝を果たした。この勝利の要因となったのは、61分から途中出場したリオネル・メッシだった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

70%台の支配率を記録しながらチャンスを作れず

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途中出場したリオネル・メッシ【写真:Getty Images】

 バルサは問題も多いが、やはり強い。

 代表戦による中断が明けた第3節、アトレティコ・マドリーのホーム、ビセンテ・カルデロンに乗り込んだバルセロナはリオネル・メッシをベンチスタートとした。

 アトレティコという難敵を相手に前半から70%台の支配率を記録。しかし、前半のチャンスメイク数は4回:4回のタイ、シュート数は6本:5本でわずか1本しか上回ることができなかった。

 中盤のラキティッチが精力的に動くことで最終ラインと前線をつなぐ役割を果たしたため、開幕戦と第2節よりはチーム全体で攻撃ができていたものの、アトレティコを圧倒するまでには至らなかった。

 その要因は、やはり最終ライン。マスチェラーノが45分で51回のボールタッチを記録して46本のパスを出すなど、安易な縦パスに頼らずビルドアップする意思は見せていたものの、昨季の支配力を取り戻すことはできていなかった。

 ボールを持ってプレーした位置を示す「アクション・エリア」を見ても、前半45分は自陣が50.34%と過半数。バルサの攻撃の核ともいえるSBはセルジ・ロベルトが敵陣で55.38%を記録したものの、アルバが50%。昨季は多くの試合で60%以上を記録していたことを考えると、やはり物足りない数字だ。

 対するアトレティコは、ホームで28%の支配率という状況に立たされたが、昨季の全38試合で平均支配率45%となるなど、シメオネ監督はショートカウンターの使い手のため、支配率は大きな問題とはならなかった。

 逆に4-4-2でスタートしたシステムを4-5-1に変えるなど徐々に対策を打ち、バルサのDFラインのミスからチャンスも作り出すなど時間の経過とともにバルサに対抗する姿勢を出していた。

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