「これからは息子を連れてコルネジャに行って応援したい」
17年間かけて508試合を消化し、177ゴールを決めてラウル・タムードは静かに去って行く。これでシドニーオリンピック組がまた一人いなくなり、時代は緩やかに過ぎて行く。次の世代に交代する時期がタムードにも訪れたのだ。
スペインでは2部リーグまでがプロとみなされるが、20才でデビューして17年間プロとしてずっとキープして来たその裏には、どれだけの苦労があったことだろう。もちろん、そんなことはタムードのみに限った話ではないが、どのチームに行っても全力投球で走って来た。
「僕も父親になったから、これからは息子を連れてコルネジャ(エスパニョールのホームスタジアム)に行って応援したい」と夢を語るタムード。エスパニョールは、引退した彼を早速クラブで何らかの役職について欲しいとのオファーを出している。
一部の日本人選手を裏から支え指導してくれたタムードへ、今までどうもありがとうと感謝のことばを送りたい。ピッチを離れても、いずれまたコルネジャで再会する日が来ることだろう。
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