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【現地記者の目】プレミア、この夏の“勝者”と“敗者”は? 移籍市場での動向を読む

text by 山中忍 photo by Getty Images

CB補強失敗のチェルシー。ユナイテッドは守護神残留

【現場記者の眼】プレミア、この夏の“勝者”と“敗者”は? 移籍市場での動向を読む
チェルシーが獲得に失敗したエバートンのDFジョン・ストーンズ【写真:Getty Images】

 狙ったターゲットを逃さず獲得したシティの補強は、ジエゴ・コスタとセスク・ファブレガスの獲得が優勝への起爆剤となった昨夏のチェルシーを思わせる。そのチェルシーは、2列目にこそペドロ・ロドリゲスというクオリティを買い入れたが、開幕4戦9失点の守備面ではCB補強の第1ターゲットだったジョン・ストーンズをエバートンから獲れず、新ボランチ獲得は手つかずに終わった。

 シティは2節での直接対決完勝(3-0)に続いて移籍市場でもライバルに先勝し、今夏の勝者としてリーグ優勝へのスタートを切ったと言える。

 一方、今夏の敗者としてはマンチェスター・ユナイテッドの名前が『ミラー』紙などのメディアで挙っている。たしかに、ダビド・デ・ヘアの移籍失敗を巡り、レアル・マドリーと責任のなすり合いとなった移籍市場閉幕の後味は最悪。

 だが、ユナイテッドは守護神を失わずに済んだ側だ。19歳のFWアントニー・マルシャルが移籍金3600万ポンド(約67億円)に値するかどうかは今後の成長次第だが、強度不足だった中盤中央にはモルガン・シュナイデルランとバスティアン・シュバインシュタイガー、突破力が乏しかった前線にはメンフィス・デパイを得て弱点解消が図られた。

 リーグ2位の1億3900万ポンド(260億円弱)を費やした補強により、総合力は確実にアップしている。

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