いまだメンタルに課題を抱える
その理由がエースナンバー10を背負う義務感のせいなのか、それとも日本を勝たせなければならないという責任感のせいなのかは定かではないが、ドルトムントで戦っている時とは全然違う。そういう悪循環を断ち切るためにも、今はクラブでやっている時のいい感覚を取り戻すことに集中してほしいのだ。
「人の噂も七十五日」という言葉があるように、香川の場合も次のアフガニスタン戦、10月のシリア戦(マスカット)、11月のシンガポール・カンボジア2連戦でゴール量産できれば、人々は嫌な過去や過去を忘れてくれる。そういう前向きな方向に進むように、アフガニスタン戦ではとにかく数多くの得点を叩き出したいところだ。
カンボジア戦の後半に挙げた1点で日本歴代得点ランキング10位だった中山雅史に並び、23点の9位・高原直泰(相模原)、24点の8位・中村俊輔(横浜)らが射程距離に入ってきている。
「(記録は)全く意識はしないです。ただ、ホントに1試合1試合積み重ねてそういう結果につながるんで、まずはチームが勝つことを意識して、その中でチャンスをモノにできるようにしていきたい」といかにも香川らしい真面目な回答に終始していたが、先代の10番・中村俊輔を超えることは、彼にとっての1つの大きなステップになる。
香川がその領域に達し、メンタル的に一皮も二皮も剥けるのはいつなのか。アフガニスタン戦がそのきっかけになればいいのだが……。
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