「後にも先にも俊さんよりFKがうまいなと思ったことは一度もない」
ちょうど6年前の9月、日本がオランダに挑んだ際、彼は当時のエース・中村俊輔(横浜)に「FKを蹴らしてほしい」と懇願した。その願いはアッサリと一蹴されたが、そうやって貪欲に自分を前面に押し出し続けてきたから今がある。
そのFKは最近、決定率が今一つではあるが、成り上がり精神に満ち溢れていた当時を思い出し、原点回帰を図るのもいいアイディアかもしれない。
「あれから6年くらい経つんですか。時間経つのは早いですね。ホントにいつも言ってますけど、時間が過ぎる早さには危機感もあるし、ムダにできないなと思いますよね。サッカー選手としてじゃなくて、人としてね。そう思います。僕は後にも先にも俊さんよりFKがうまいなと思ったことは一度もない。
それでもね、あの時は蹴りたいと思って、それを主張したわけで。オランダへ移籍した時、練習してないやつがFKになると5人くらい立つというのも学んだ。そういう中で、自分で決められるチャンスがあればもちろん決める。しっかり準備はしたいと思います」と本田は未熟だった頃の自分を振り返りながら、力強く自分自身を鼓舞していた。
彼ら2人がリスタート改善の切り札であることは、誰もが理解している。ハリルホジッチ監督も納得できる結果を残すべく、さらに細かいディテールを叩き込んでほしい。
特に本田には直接FKゴールの確率が上がる術を伝授して、ゴール量産のきっかけとすることが期待される。
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