「しっかりと決めるところを決めてここまで来てる」
確かに、189㎝を誇る彼の高さは日本にとって大きな武器。平均身長の高くないアフガニスタン相手ということを考えても、彼にボールを集めることは効果的と言える。
本人もその役割をしっかりと自覚し、香川や本田圭佑(ミラン)が出してくれるボールに最高のタイミングで合わせていく覚悟を持っている。吉田は肝心なところで勝負強さを発揮する選手。その強心臓ぶりをぜひ今回のテヘランでいかんなく発揮してほしい。
ボールを供給する側の本田圭佑(ミラン)の方も、カンボジア戦でFKのチャンス自体がほぼなかった分、意気込みは強い。今回は好位置でファウルを誘うべく、ペナルティエリア付近での仕掛けを増やすことも視野に入れているだろう。その結果、吉田らに合わせる形だけでなく、自らが直接ゴールを狙うFKを蹴る機会も増えるはずだ。
高地であるテヘランなら、ブレ球を蹴ることができる可能性が高まるのも注目すべき点。2010年南アフリカW杯・デンマーク戦で強烈FK弾を決めたルステンブルクも標高1500mの高地だったがゆえに、その再現が大いに期待される。
「南アのあんまり覚えてないですけどね(苦笑)。僕のFKは名手に比べればそこまでじゃない。しっかりと決めるところを決めてきたっていう部分でここまで来てるんで、大事な場面でプレッシャーに打ち勝って結果を残せればいいかなと。安定した精度がないのはみなさんも分かってるでしょうし」と本人は苦笑していた。
そして、2次予選序盤2試合でスタートダッシュに失敗したこのタイミングは、彼の言う「しっかり決めるべきところ」に他ならない。今季ACミランでFKの名手、シニシャ・ミハイロビッチ監督の下でトレーニングを重ねている成果を、今こそ示すべき時だ。