目標は格下からの大量得点か、世界で戦える力か
そう語る酒井宏樹はカンボジア戦である程度の感触を掴んだものの、質の部分で課題があることも認識している。「10本走った選手というより2、3本でもアシストした選手の方が評価されますし、そういう選手になっていきたい」と酒井宏樹は語るが、その向上は個の判断力や技術だけではなく、チームでの攻撃イメージが高まることとセットになる。
シンガポール戦で幸先の良いスタートを切れず、東アジアカップでも結果が出なかったことで、今後の試合である程度の結果を出しても風当たりの強い時期が続くだろう。
だが、その間にもチームの力を蓄えるほど、いざ世界に出たときの成果は上がるはず。“格下”とされる相手に大量得点で勝てれば理想的だが、本当の目標がもっと先にあることはブラジルW杯で日本のファンも認識したはずだ。
予選を突破することはノルマだが、大事なのはその先につながる力をどう蓄えていくか。そのために必要なのはチームの土台を作りながら、しっかり相手を見て攻撃イメージを共有すること。その意識をようやく、サイド攻撃から感じられた試合だった。
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