高価な移籍金を分不相応と見るローター・マテウス氏
市場が閉じて間もない9月2日付の『シュポルトビルト』誌では、ローター・マテウス氏が、ブンデスリーガの「新しい状況」について見解を述べている。
マテウス氏は、今夏の移籍劇で各クラブの主力がイングランドに去ったにもかかわらず、「勝者はブンデスリーガのクラブたちだ!」と宣言した。
同氏はデ・ブルイネやソンが去ったことで、アーノルドやブラントといった次代のドイツサッカーを担う若手が出場時間をより長く確保し、成長に繋げることができると考えている。
逆に言えば、イングランドでは若いタレントのプレー機会が少なくなることになり、イングランド代表は大きな問題を抱えることになる。マテウス氏はそう見ている。
またプレミアリーグに移籍した選手たちのことを「高価なミドルクラス」と表現した。例えばデ・ブルイネを売却して得た7500万ユーロで、バイエルンが獲得したコスタ(3000万ユーロ)とビダル(3700万ユーロ)の両選手を購入したとしてもお釣りが来る。
言うなれば、入ってきたプレミア・マネーで、より安くより優れた選手を獲得することも可能になる。マテウス氏は、イングランドに去った選手たちの移籍金の額が分不相応と見ている。
このように、ドイツのブンデスリーガからイングランドのプレミアリーグに移籍する選手の数が増加する傾向にあり、また、その際に入ってくる移籍金の額が飛躍的に伸びていることに対する反応は、多種多様である。
『キッカー』誌は、イングランドのクラブは来年もっと多くのお金を駆使できる、と見ている。
16年の夏は、より多くの選手たちがドイツを去り、さらに多額のプレミア・マネーがブンデスリーガに入ってくるのだろうか。そしてその多額の資金はブンデスリーガに、ひいてはドイツサッカーにどのような影響を及ぼしていくのだろうか。
『キッカー』誌は、最後に次のように記している。
「そのあと何が起きるのか、ほとんど思い描けない」
パンドラの箱が、開けられたのかもしれない。
【了】