出番なく、チャンスを与えられなかった柴崎
そしてこの試合で出番のなかった柴崎岳(鹿島)も、膠着状態が続いたカンボジア戦の戦いぶりをベンチからしっかりと見守っていたという。
「自分が入ったらどういうプレーをするかという想定はしていました。決定機はありましたけど、3点ではまだまだだと思います。非常に特殊な形の予選だと思いますし、すべてのチームがああいう守り方をしてくるんで、あそこまで引かれるのは珍しくて自分たちも戸惑っていた部分はあると思います」と彼は冷静にチームメートの動向を分析していた。
そういう仲間たちに精神的な落ち着きを与え、中盤でタメを作り、チャンスを伺いつつミドルを決めるというのが、柴崎に託される仕事だろう。
ハリルホジッチ監督は彼を攻撃的MFとして位置づけているため、ピッチに立つとすれば香川のトップ下か、あるいはボランチの長谷部誠(フランクフルト)が担っていた役割になるのではないか。
そういう中で柴崎はどんな状況でも自分のリズムで堂々とプレーできる若手の中では珍しい存在だ。そこは武藤も宇佐美もできなかった部分。彼が入ることで、同い年の2人も力づけられるのではないだろうか。そういう意味でも、次戦はどこかで柴崎にチャンスを与えてもらいたい。
今年23歳になるプラチナ世代トリオがチームに新風を起こすことは、今後の予選を考えても重要なテーマ。2次予選初のアウェイ戦となるアフガニスタン戦で彼ら可能性をぜひ見てみたい。
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