決定機らしい決定機を作れなかった武藤
3月のヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任以降、アジア勢相手に公式戦4戦勝ちなしという予期せぬ苦境に陥っていた日本代表。
3日の2018年ロシアW杯アジア2次予選・カンボジア戦(埼玉)は悪循環を払拭する意味で、非常に重要なゲームだった。勝ち点3はもちろんのこと、最低でもシンガポールがカンボジアから挙げた4点以上を取り、劇的な内容の改善を印象づけたかった。
しかし、結局のところ、奪った得点は本田圭佑(ミラン)のペナルティエリア外側からの強烈左足シュート、吉田麻也(サウサンプトン)の右足ミドル弾、そして岡崎慎司(レスター)のシュートのこぼれ球を拾った香川真司(ドルトムント)のラッキーゴールのみ。
34本シュートを放って3点というのが不完全燃焼感を色濃く感じさせるうえ、得点者が2014年ブラジルW杯経験者ばかりで、目新しさもなかった。
今季マインツへ移籍し、8月29日のハノーファー戦で1試合2ゴールを叩き出した武藤嘉紀は満を持して先発で2列目左に入ったが、酒井宏樹(ハノーファー)の右サイドからのクロスに速いタイミングで飛び出しすぎて自らチャンスをつぶしてしまった。
交代直前には指揮官から香川とのポジション交代を告げられ、岡崎と2トップ気味になったが決定機らしい決定機を迎えられずにベンチに退く後味の悪い結末となってしまった。
「アジアはかなり引いてくる相手が多いと思いますし、その中で先に入り過ぎて、速いタイミングで行き過ぎると、自分たちのスペースを消しちゃうことが分かった。
そこを修正していくことも大事だと思った。その入り方やタイミング、質をもっと上げていかないといけない。あとはやっぱり最後のところをしっかり決めきることをしっかりとやらないといけないですね」と一夜明けて4日午前、埼玉県内でクールダウンを終えた武藤は改めて自分自身の問題点を客観的に分析していた。