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日本代表 9年前

【現場記者の目】カンボジア戦で見えた3つの課題。本田らも指摘する課題と結果への不満

text by 元川悦子 photo by Getty Images

イージーミスの多さ。プレッシャー感じた香川

【現場記者の目】カンボジア戦で見えた3つの課題。本田らも指摘する課題と結果への不満
絶好の得点チャンスでミスをしてしまった香川真司【写真:Getty Images】

 そして3つ目がフィニッシュのイージーミスが多すぎること。その最たる例が前半43分の香川だ。山口→長谷部→岡崎とつながって、クサビを受けた武藤が左から打開して絶妙のラストパスをゴール前に送った時、香川は相手DFを振り切って完全フリーになっていた。

 あとは無人のゴールにボールを流し込むだけというおいしい状況。それを彼は大事に行き過ぎて、GKに当ててしまうという信じがたいミスを犯した。そんな消極的なプレーは今季のボルシア・ドルトムントではありえないこと。本人も「あれは慎重に行き過ぎて固くなったと思う。あってはいけないミスだった」と悔しさを隠し切れなかったが、それだけ肩に力が入っていた証拠でもある。

 所属クラブであれば試合数も多く、1度のミスでも取り返すチャンスが比較的与えられやすいが、年間10試合もなく、1つ1つの重要度が高い代表戦は難易度が上がるのもよく分かる。だからこそ、エースナンバー10をつける香川などはより重責を感じ、自然体でやれなくなってしまうのだろう。だが、格下相手にそこまでプレッシャーを感じる必要はないはず。

 大事なのはメンタル面だ。焦りを感じていたら決まるものも決まらない。それはゴール前に飛び込むタイミングを計り切れなかった武藤や、後半から出てきた宇佐美貴史(G大阪)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)らにも共通する問題ではないか。

 カンボジア戦の日本代表が露呈した課題はそれ以外にもあるが、まずはこの3つをしっかりと徹底するだけでも結果は違ってくる。次のアフガニスタン戦は長距離移動を伴うアウェーの地でのゲーム。より難しさが増すだけに緻密な試合運びが求められる。

 勝利を重ね、チームとして内容をブラッシュアップしていくこと。ロシアへの切符獲得、世界舞台でのリベンジのためにも、それをやっていくしかない。

【了】

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