心を震わせたハリルホジッチ監督からのメッセージ
現状のままでは、いばらの道が待ち受ける可能性もある。それでも、自らが希望して切り開いた道を、信念をもって突っ走っていく覚悟は変わらない。
一日遅れで日本代表合宿に合流した1日。長友はあらためて決意を口にしている。
「僕はいる場所でしっかりと輝く努力をするだけなので。しっかりとインテルに貢献できるように、感謝の気持ちをもってプレーしていきたい」
精悍な表情を見ただけで、心身が充実していることが伝わってくる。そして、真っ赤な情熱は目前に迫った、カンボジア代表とのワールドカップ・アジア2次予選へ向けられる。
まさかのスコアレスドローに終わった、6月のシンガポール代表との第1戦。左の臀部に張りを訴え、直前で先発出場を回避していただけに、いつも以上に日の丸に対する責任感がこみ上げてくる。
「シンガポール戦で勝てなかったことはもちろん反省していますけど、長い期間にわたって予選が行われるなかで、しっかりと勝つことだけを意識して、チーム一丸となって戦うだけ。僕自身のコンディションは問題ないし、練習ではみんなピリッと集中しているというか、すごくいい雰囲気でした」
昨夏から長友が心の片隅に抱えてきた傷を、強烈なメッセージとともに忘れさせてくれたのがヴァイッド・ハリルホジッチ監督だった。
4月19日に行われたミランとのミラノダービー。本田とともに出場なしと終わった後に、視察に訪れていたハリルホジッチ監督と会談の場をもった。そのときに発せられた、フランス国籍をもつ63歳の指揮官の熱い言葉に長友は心を震わせた。
「ワールドカップで負けてしまったことで、選手一人ひとりというか、日本全体が自信を失っている状況にあると。もう一度自信を取り戻すために、日本を本気で強くしたいという気持ちがすごく伝わってきた。そのためにも一人ひとりの力が必要だし、特に経験のある選手がピッチの内外でチームを引っ張る姿勢を見せて欲しいと言われました」