最も赤字を出したクラブは…
対照的に「最も赤字を出した5クラブ」は以下。1位はもちろんメガオファーを連発したあのクラブとなった。
1.マンチェスター・シティ(イングランド) 支出:2億338万ユーロ 収入:6815万ユーロ 収支:1億3523万ユーロ(約182億円)
2.パリ・サンジェルマン(フランス) 支出:1億1610万ユーロ 収入:1740万ユーロ 収支:9870万ユーロ(約133億円)
3.バレンシア(スペイン) 支出:1億4200万ユーロ 収入:5010万ユーロ 収支:9190万ユーロ(約124億円)
4.ミラン(イタリア) 支出:9097万ユーロ 収入:965万ユーロ 収支:8132万ユーロ(約110億円)
5.レアル・マドリー(スペイン) 支出:8950万ユーロ 収入:1500万ユーロ 収支:7450万ユーロ(約101億円)
今夏最高額のMFケビン・デ・ブルイネ(ヴォルフスブルク/7400万ユーロ)、FWラヒーム・スターリング(リバプール/6250万ユーロ)、DFニコラス・オタメンディ(4460万ユーロ)とメガオファーを数々決めたマンチェスター・シティが堂々の1位。
その下には同じく“金満クラブ”として名高いパリ・サンジェルマンが続いた。バレンシアとミランはオーナー陣による積極的な資金注入によって集中的な補強を敢行した夏となった。ミランはこれまでフリー移籍でばかり選手を獲得した影響か、ほとんど移籍金を伴って放出することができなかったことが赤字計上に繋がっている。
一方で、イメージほどに赤字を計上していないのがマンチェスター・ユナイテッド、インテル、チェルシーの3クラブだ。ユナイテッドはMFアンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン/移籍金6300万ユーロ)を放出したことで赤字は3739万ユーロ(約51億円)に抑えている。最後の最後で書類手続きによって破談したGKダビド・デ・ヘアの移籍金は3000万ユーロ(約40億円)とみられていたため、仮に成立すれば赤字は大きな額ではなかったという計算だ。
ユナイテッド以上に驚異的なのはインテルで、買取義務もしくはオプション付きレンタル移籍を巧みに利用したことで結果的に今夏だけの収支は397万ユーロ(約5億円)の「黒字」になったとみられている。8645万ユーロの移籍金を費やして数多くの選手を獲得したが、MFマテオ・コバチッチ(レアル・マドリー/移籍金3500万ユーロ)、ジェルダン・シャキリ(ストーク・シティ/移籍金1700万ユーロ)、MFエルナネス(ユベントス/移籍金1100万ユーロ)と放出オペレーションも完遂した。
同じくチェルシーも的確な放出も織り交ぜることで赤字を2361万ユーロ(約32億円)に留めている。
今夏も様々な電撃移籍が実現した移籍市場。果たして、この“投資”を効果的に結果に繋げることができるクラブはどこなのだろうか。
【了】