「1本裏」を狙うも結果につなげられなかったヘルタ
引いて、1本裏を狙う。2015年8月30日のブンデスリーガ第3節、ヘルタ・ベルリンはシンプルな戦略で挑んで来た。ボルシア・ドルトムントの監督トゥヘルは「ヘルタはかなり引いて守ってとてもタイトだった」と振り返る。
ヘルタはまず自陣でしっかりと守備をしてから、カウンターを狙ってきた。そこでワントップに据えらえたのは、原口元気である。
ドルトムントについて、原口は「力関係で言ったら明らかに上だっていうのはやってみても分かります」と感じた。チーム力で劣るのであれば、スピードのある選手を前に置いて、割り切ってカウンターを狙う。
「僕が前に残っていて1本裏っていうのは、本当にチームの今日の1番の狙いだった」
ポゼッション・スタイルが敵陣でパスを回そうとすれば、後方で相手にスペースを与えることも関係しているだろう。
原口にとって、そしてヘルタにとって最大のチャンスは14分のことだった。オーバメヤンに入ったボールをブルックスがカットして、ファン・デン・ベルグが「1本裏を狙う」。
原口が飛び出す。GKビュルキと1対1――。フンメルスが戻ってクリアした。「今日の全てだった」と振り返った原口は、「結果に繋げたかった」と悔しさを滲ませた。
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