対照的な状態にある両チーム
リーグ屈指の破壊力を持つ川崎の攻撃陣だが、ここ3試合は本領を発揮できていない。前節の湘南ベルマーレ戦は試合開始直後にゴールを奪ったが、その後はチャンスを作りながら決められず、逆転負けを喫した。
崩しの局面で精度や判断を欠いたと風間八宏監督は指摘し、選手もその点について言及していた。中村憲剛は試合後、「自分たちで最後合わせられていない」と話した。「ここ数試合ずっとそう」と嘆くように、思うように得点を挙げられないことで勝ち点を落としているのが現状だ。
対する鹿島は監督交代後5連勝と絶好調。サガン鳥栖、ベガルタ仙台、モンテディオ山形戦はいずれも3ゴールを奪って勝利するなど、川崎とは対照的に攻撃が爆発している。前線の選手が得点の多くに絡み、今はどこからでもネットを揺らせる雰囲気が漂う。
さらに守備も堅さを取り戻しつつある。仙台戦はミスから失点したが、5試合中3試合を完封。守備面の安定は、チームに自信を与えていることだろう。得点力はあっても失点が多ければ取りこぼしも増える。今後も好調を維持するためにも、堅守の復活は重要な鍵となる。
破壊力に陰りが見える現在の川崎だが、その実力に疑いの余地はない。ひとつのきっかけで調子を取り戻すと思われ、連勝街道をひた走る鹿島から勝利を掴めれば大きな自信となり、再びゴール量産体制に入るだろう。
【次ページ】両チームの予想スタメン