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本田圭佑 9年前

今、試される本田の“個”の力。聖地サン・シーロで演じる『トップ下』の役

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

今、試される“個”の力

今、試される本田の“個”の力。聖地サン・シーロで演じる『トップ下』の役
ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督【写真:Getty Images】

 もっとも守備をサボれば、それこそミハイロビッチ監督の信頼を失うに違うない。トロフェオTIMのインテル戦やペルージャ戦のように、トップへボールが入れば細かい連係を活かせるようになってきているのだから、大きく何かを変えるという必要はないだろう。問題は、フィオレンティーナのように厳しいディフェンスをしてきた相手にどう対応するかだ。

 中央のプレスがきつければ、サイドに逃れて起点を作っていくのも手だ。実際本田はそうしていたが、そのときのプレーがやや淡泊だった。右サイドでボールを受け、マークは外そうとフェイントを掛けるものの、結局無難に後方へ戻してしまうシーンもあった。一つ外したところから、危険なボールを入れようとするチャレンジはもう少し欲しい。

 そうでなければ、もう少し良い形でボールをもらえるように動くか。一度こんなシーンもあった。フィオレンティーナのプレスが掛かる中で左SBのルカ・アントネッリがボールを受けるが、その前方にいた本田はスペースへの動き出しが遅れ、結局相手DFに張り付かれた。こういう動きの質を高めて、自らも前を向きやすくなるようにしていかなければならないだろう。

 次節のエンポリ戦は、間違いなく内容も勝利も求められる試合である。昨季の躍進の立役者であるマウリツィオ・サッリ監督はナポリに移籍し、初戦のキエーボ戦はホームで逆転負けを喫するなどチーム状態は良くない。ミラニスタは「勝って当たり前」と考えるであろう試合だ。

 マルコ・ジャンパオロ監督の戦術も、中盤での厳しい組織守備をベースとする。初戦で結果がでなかった以上、アウェーで余計に守ろうとしてくるだろう。そこをこじ開けるプレーがチームとして出来て、かつその中で本田が結果に結びつく活躍をできるか。

 ミハイロビッチ監督はペルージャ戦で後半からジェレミー・メネズを入れ、バロテッリを練習でトップ下に入れたという情報も出ている。今のところは本田に信頼を置いているが、攻撃のクオリティを増したいと考えている部分はあるだろう。

 勤勉さだけでなく、攻撃面でも評価を固められるか。代表ウィーク、そして第3節のミラノダービーを前に、本田の「個」の力が試される。

【了】

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