ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:ダン・オロウィッツ】
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は27日、来月初旬のロシアW杯2次予選2試合に向けた招集メンバー23人を発表した。
東アジアカップのメンバーから何人が生き残るのか注目されたが、FWにはJリーグから永井謙佑、宇佐美貴史、そして興梠慎三が選ばれた。一方でこれまでに引き続き大久保嘉人や豊田陽平は選外となっている。
この理由を「我々の目的はW杯」と説明し、年齢の高いベテランを起用するのではなく先を見据えたメンバー選考であることを強調する。
しかし、ハリルホジッチ監督は日本のFWのクオリティ不足を憂慮している。「まだこのリストには入っていないが、クオリティの高い選手はいる」と述べたが、「もっともっと有能なFWが必要」とストライカー不足に警鐘を鳴らした。
大久保や豊田といったベテランがJ1の得点ランキング上位を占めている現状がある一方、若い選手には経験が不足しているとハリルホジッチ監督は語る。特に最近U-18やU-22日本代表を視察してその思いは強くなったようだ。
「日本の今の問題は効果的なFWを見つけることだと思う。育成でもそういったところが問題になっていると聞いた。もちろん才能は必要だが、養成しなければいけないところ。先日U-18 の試合を見て、昨日はオリンピック世代の試合も見た。若い世代にJリーグで試合に出場する機会を与えて欲しい」
オリンピック出場を目指すU-22世代の選手ですらリーグ戦で出場機会の確保が困難な状況が彼らの成長を阻んでいると同時に、選手たちの努力も不足していると指摘するハリルホジッチ監督。
例として川崎フロンターレで大久保とともにプレーする杉本健勇を挙げ、「彼はかなりの能力がある。フィジカルが強く、空中戦にも強くて、効果的なプレーができるのではないか。テクニックのクオリティも高い。ただこのリストに入るにはもっともっとやってほしい」と期待を口にした。
「若い選手にもっともっと頑張ってほしい、もっとトレーニングをして努力をほしいというメッセージでもある。トレーニングでしかさらに異なるレベルへはいけない」と強い口調で語り、将来の代表選手へ檄を飛ばしたハリルホジッチ監督。いまいるメンバーを脅かす存在は出てくるのか、日本の未来は先駆者たちを超える“真のストライカー”誕生に懸っているのかもしれない。
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