ピッチの部外者はジャッジの正当性に目を光らせるべき
ジェラール・ピケは、サッカーファンでなくてもプライベートでは世界的有名シンガーであるシャキーラのパートナーとしてそのセレブぶりが知られており、国内では自分達が優勝すればそれをネタにマドリードを煽るなど、敵対心を露にする“アンチマドリー”な選手としても知られている。
マスコミではそれが問題発言だと報じられることも多く、実際歯に衣着せぬ物言いはそう誤解されても仕方あるまいということも多いが、多くの場合こういった言動はピケ流のジョークであり、スペイン代表でも冗談好きな明るいムードメーカーとしての役割を果たしている。
なぜこういったことを書いているのかというと、そういったピケの一般的な「心象」が時にジャッジに響くことがあるからだ。国内では、ファウルやカードをとられやすい選手が、UEFAなどヨーロッパレベルの大会に出場すると全くとられない、といったケースがある。実際、一部にはスペインリーグのジャッジレベルが低いという声もある。
「主審の言うことは絶対であり、歯向かってはいけない。主審に文句を言うなどもってのほかだ」とJリーグでは教えられていると聞くが、ジャッジする主審も人間であり、ミスを犯すこともある、というのがこっちでの認識だ。
もし間違いがあればそれは正さなければならないし、今後に生かされなければならない。出場できない期間が長いほど選手は試合勘を取り戻すのに時間がかかるし、試合に出場することが選手を選手たる存在にしているわけで、そのたった一つの目的のために選手は日々黙々と練習を積んでいるのだ。
カード一枚を出す責任感をジャッジは感じて欲しいし、ピッチの部外者である私達はそういった判断に本当に間違いがなかったのかどうかに目を光らせ、時に声をあげるべきだと思う。フェアプレーが、主審の主観とイコールだというような罠に陥らないためにも。
【了】