試合後にも大きな影響を及ぼす「主審の一言」
試合後、ピケが受けたレッドカードについてチームメートのイヴァン・ラキティッチは「あれが退場になるなら、毎試合7人少ないチームで戦うことになる」とその判断基準に疑問を唱えた。
実際、レッドカードというのは審判が与えることができる処罰の最高権威に値する。11人同士で戦っている2チームのうち、一方を数的不利に追いやって両者のバランスを明らかに崩すわけであり、更にその試合だけでなくその後の試合にも影響を及ぼすからだ。
ピケの場合はここ(スーパー杯)から先の4試合に出場できなくなる。そこまでの暴言を本当に吐いていなかったとすれば、これは非常に厳しい処分だということになる。
昨シーズン、クリスティアーノ・ロナウドがコルドバ戦でエジマールに足蹴を食らわせたファウルがあったことを覚えているだろうか。その試合でエジマールは怪我こそしなかったものの、ロナウドが行なったのは対戦相手の顔を足で蹴るという暴挙だった。
だが、その処分は2試合欠場で済んだ。なぜなら審判がマッチレポートに「暴力行為」という言葉を使わなかったためだ。
つまり、ピッチ上で実際に行なわれた言動にかかわらず、審判が書く一言で、心証のみならず実際の処分内容まで大きく変わることがあるとこの事実は明白に語っている。今回のジェラール・ピケの件でクラブ側がどういった言葉を使って審判が書いたのか、その内容に拘るのにはそういった理由があるのだ。