相手は好調フィオレンティーナ
ミランに移籍してから1年8ヶ月、本田がトップ下として起用されたことは少なかった。ただそのたびに、周囲と噛み合わずピッチで浮いていた印象もあった。
その時と比較すれば、トップ下として本田は見違えるほど機能している。組織がコンパクトに再整備されたこと、またスペースに動きそれぞれ視野も広いカルロス・バッカやルイス・アドリアーノらとプレーを連動できるようになったことが大きな違いとなっているのだろう。
新監督就任で心配もされたが、むしろ本田が本領発揮するための好条件が整えらえた。実際、初の公式戦では結果も出ている。ただやはり、真価が問われるのはあくまでリーグ戦である。しかも初戦でフィオレンティーナとは、やはり厳しい。
ビンチェンツォ・モンテッラ監督が去り、バーゼルからパウロ・ソウザ監督を招聘した彼らは、新指揮官のもとでプレースタイルを変えている。今までのポゼッション志向から組織守備と速攻を重視した方向へと転換しているのだ。
システムは4-2-3-1。守備の際には両翼を下げ、DFと中盤でコンパクトなラインを敷いてスペースを潰す。昨季のバーゼルのサッカーを観たイタリアのファンの間からは「(マルチェッロ・)リッピ時代のユーベを彷彿とさせる」という評価もあったが、実際に彼は師匠さながらのアグレッシブなサッカーを展開しようとしている。しかもこのプレシーズンでそれはある程度形になり、あくまでプレシーズンマッチではあるがバルセロナやチェルシーも破っているのだ。
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