お手本はドルトムントに女子バレー?
Jリーグの名物となっているゴールデンウイークの連戦。J2も例外ではなく、昨シーズンのベルマーレも4月26日からの16日間で5試合を戦っている。
その4戦目となった、5月6日の栃木SC戦を前にした全体ミーティング。毎回のようにテーマに創意工夫を凝らし、ときには「日経平均株価」や「女子バレーボールの新戦術ハイブリッド・シックス」なども取り上げてきたなかで、チョウ監督はブンデスリーガのボルシア・ドルトムントに関する話をしている。
直前の4月に、ドルトムントは17日間で6試合を戦っている。中3日が一度で、残りはすべて中2日。初戦のレアル・マドリーとのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝こそ落としたが、あとはすべてで勝利。この間、8人の選手が5試合以上で先発メンバーに名前を連ねている。
今年2月に発表した初めての著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版刊)で、チョウ監督は栃木SC戦前のミーティングの内容をこう明かしている。
「どちらがハードなのか、という問題ではない。ヨーロッパの最先端のリーグにおいては、連戦で疲労が蓄積しているからという理由で選手を休ませる、いわゆるローテーションという考え方が存在しないことを伝えたかった」
2対1で勝利し、開幕からの連勝を12に伸ばした試合後の会見ではこう語ってもいる。
「スポーツ科学的には連戦が与える疲労感は強いと思うけど、疲労感があるなかで試合をしていかないと選手たちは成長しない。(中略)ワールドカップが終わった後に代表チームのスタッフが『タフさがなかった』と分析することがよくあるけど、現場を預かる我々が選手たちに『タフになれ』と求めない限り、それは成立しないと思っている」
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