韓国での生活にも順応
今年1月、サンフレチェ広島初の高校生Jリーガーとして高校2年生でのプロ契約から(1年間の愛媛への期限付き移籍を経験しつつ)11年間袖を通した紫紺のユニフォームから一旦離れ、オーストラリアの2014年のACL王者ウエスタン・シドニー・ワンダラーズに移籍した高萩洋次郎。
広島と同じ10番を背負い、デビュー戦でFKからゴールを奪うなど存在感を見せた。今季のACLでWシドニーはグループリーグ敗退、オーストラリアAリーグでも翌シーズンのACL権を失ったチームだが、かつて広島で屈強なリベロだったトニー・ポポヴィッチ監督からは大きな信頼を受けていた。
それでも8月2日に29歳となり、選手として充実の時期を迎えている高萩にとってより多くの試合数を戦い抜き、より深く充実した人生経験を得ることが、今必要なこと。高萩のスタイルに注目していたFCソウルは、ヨーロッパでも名の知れた“韓国首都のビッグクラブ”。国内リーグ38試合の長丁場、カップ戦だけでなく、ACLも常連だ。
より多く自分を表現できる場は、魅力に映った。「オフで長期に休むと戻すのに時間がかかる。試合に出続けるほうがいいんですよ」と、昨シーズンから続いたシーズン半ばでの移籍にも爽やかに語った。
順調なデビューの高萩に聞くと、ソウルでの生活は馴染みが早かったようだ。「一番のお気に入りは納豆鍋ともいえるチャングッチャン。と言っても日本の納豆とは違いますよ」と屈託なく話し、「食事も美味しいし、多少辛いのは大丈夫。選手とは英語でコミュニケーションできるし、それもオーストラリアでの経験があったから」と、写真を見る限り、変わらぬ静かな笑みをたたえる。
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