Kリーグに新天地を求めた高萩
今夏にFCソウル(韓国Kリーグ)に移籍した元日本代表の高萩洋次郎が、8月12日のリーグ戦、デビュー3戦目で移籍初ゴールを挙げた。愛着のあった広島を卒業後、オーストラリア、韓国と戦いの舞台を移した高萩の当面の狙いは、東アジア強豪3ヶ国でのACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場と静かに闘志を燃やす。
筆者にとっては5年前の溜息を思い出した、衝撃の20メートルのミドルシュートだった。サンフレッチェ広島から移籍して7ヶ月、オーストラリアで自信を深めた高萩は、8月12日のKリーグ、プサン対FCソウルの49分に、ゴール正面からライナーでのミドルシュートで韓国移籍初ゴールを記録した。
国立競技場での2010年ヤマザキナビスコカップ決勝、ジュビロ磐田戦。2対2で迎えた延長開始直後に高萩はゴール正面から同じくミドルシュートを放つも、無情のクロスバー直撃。それは、ニューヒーロー賞受賞とともに記憶に残った晩秋の一ページだった。
この夏、プサンで放った軌道はゴール正面から球速でも成長を感じさせ、現地でも衝撃の言葉で伝えられたゴール。FIFAクラブワールドカップ2012でサンフレッチェ広島が全世界に披露した“相撲パフォーマンス”をKリーグのピッチでも、一人披露した。
「デビューから早い段階でのゴールで、ほっとしている」という一振りは、キーパーの位置取りを見た冷静な狙いだった。「なによりも、勝利に貢献できて嬉しい」というチームは高萩デビューから3連勝となった。