不慣れな人工芝のピッチに苦戦
香川真司がオッドを振り切った。2015年8月20日、ノルウェーのアウェイでドルトムントは、ヨーロッパリーグのプレーオフを戦う。1stレグは、首都オスロの南西約100キロに位置するシーエンで行われた。
ドルトムントは開始18秒に失点する。ツェクニニの左からの折り返しを、サムエルセンが中央でいとも簡単に頭で合わせた。0-1。
あまりに早い時間での失点は、昨季に繰り返した光景である。フンメルスは「最初は悪い映画のようだった。あんな弱々しいパフォーマンスでゲームを始めるべきじゃない」と振り返った。
しかし単純に、昨シーズンの悪癖を繰り返したと言い切れないところもある。試合会場は「人工芝」だった。香川は「踏ん張りが怖かった」と言う。足首や膝に来る負担が凄く大きい。
「シュートを打つときであったり、そこの慣れというのも多少はあったんじゃないかなと思います。みんなそういうところで、多少なりとも苦労はしていた」
オッドはホームで人工芝に慣れている。しかしドルトムントはアウェイで慣れていない。つまりオッドは地の利を生かして、BVBを急襲したのだ。
不慣れな中でも、ドルトムントはポゼッションを高めて、相手陣内でボールを回した。しかし有効打を打てない。18分、ムヒタリヤンのエリア外からのミドルシュートは、クロスバーの上に外れた。
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