私は真の権力者たちからユーベを守ろうとした
――とはいえ、審判団の買収のみならず試合そのものをモッジが買っていたとの話を信じる者は今なお少なくはない。
M そう思うのなら思えばいい。俺の知ったことではない。なぜなら、俺は1度として審判を金で買ったこともなければ敵に何かを渡すことで試合をモノにするなどという愚かな真似をしていないからだ。それこそ、モッジが裏で何かを操っていたと思うのは勝手だが、ならば俺が反論できない確たる証拠を出してみろ、と。
――だが、当時のユーベGM“3巨頭(モッジ、ベッテガ、ジラウド)体制”の力が確かに他を圧倒していたのは紛れもない事実。
M 当たり前だ。理由は他でもない、単にこの俺たち3人が他の誰よりもサッカーとその世界を知っていたからだ。もちろん結果を出す術も知っていた。どこの誰とは言わないが、あのナントカという二流にデル・ピエーロの倍の年俸を払う連中と俺たち3人では“モノが違う”ということなのだろう(笑)。
それはまぁ冗談として、確かなのは当時のユーベ首脳陣が決して突出した権力を持っていたわけではないということだ。俺たちはいかにもその力を持つかのような振りをしていたに過ぎない。
――要するに、真の権力者は他にいたと?
M その通り。だからこそ、その真の権力者たちからユーベを守るために俺たちは可能な限り手を尽くしていたに過ぎない…。(全文は『欧州フットボール批評03』でお楽しみください)