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Jリーグ 9年前

【イタリア人の視点】日本文化を愛する指揮官、花開くFC東京。若者に支持される“クールなチーム”へ

昨シーズンよりイタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督が指揮を執るFC東京。今シーズンは近年最高の成績をあげて上位に食い込んでいる。日本文化を愛する指揮官の下、若者に支持されるチームは真のビッグクラブへの道を歩み始めた。

シリーズ:J.CHAN text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

チーム以上に大きな成長を遂げる選手たち

【イタリア人の視点】日本文化を愛する指揮官、花開くFC東京。若者に支持される“クールなチーム”へ
マッシモ・フィッカデンティ監督【写真:Getty Images】

 私はかなり長い間、マッシモ・フィッカデンティ監督の下で花開いたFC東京について書くことをためらっていた。なぜなら私もマッシモもイタリア人で、同胞を称賛することで浮かれてしまうのを恐れていたからだ。

 しかし、ガンバ大阪戦を見た後、フェルモ出身の指揮官によってFC東京が進歩したことを認めざるを得なかった。勝利だけが重要なポイントではない。彼らが90分間にわたって示したチームスピリットと献身、そして態度や成熟度は目を見張るものだった。

 選手個人がフィッカデンティ監督によってどれだけ成長したかは、これまで見せてきた仕事ぶりで明らかだろう。

 森重真人は時代遅れの存在を卒業し、レッドカードやPKを与えてばかりだったかつての姿から真のリーダーへと変貌を遂げ、完全に国際レベルの選手になった。太田宏介もあらゆる面で目覚ましい成長を遂げた。日本人で最も優れたクロスを持ち、反則も少なく、日本代表の一員となっている。

 ブンデスリーガへと旅立った武藤嘉紀も、有望株からJリーグのスター選手へと飛躍した。河野広貴のスランプは誰にも止められないものと思われたが、チームにとってなくてはならない存在になり、他の選手たちも成長を続けている。

 結果は目に見える形で出ている。FC東京は24試合を終えて年間総合順位で3位につけており、ここ最近では最高の数字を記録している。2番目に良かったシーズンは原博実監督の下、4位に躍進した2003年だろう。当時は24試合を終えて勝ち点38だったが、今年はすでに10ポイント上回る勝ち点48を獲得している。

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