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バルサは伝統を放棄したのか? チャビが語る、バルサの新スタイル

8月17日(月)発売『欧州フットボール批評special issue03』では、2014/15シーズン限りでFCバルセロナを離れたチャビ・エルナンデスにロングインタビューを敢行。南米トリデンテの加入もありスタイルを変質させたバルサについて、かつてのスタイルの象徴であったチャビは何を思うか。一部抜粋して掲載する。(翻訳:江間慎一郎)

text by トニ・フリエロス photo by Getty Images

バルサが勝ち続けるにはカウンターも必要

――バルサとスペイン代表が手にした成功の秘訣を、どのように定義しますか?

バルサは伝統を放棄したのか? チャビが語る、バルサの新スタイル
バルセロナ、スペイン代表で一時代を築いたチャビ【写真:Getty Images】

チャビ・エルナンデス(以下X) 僕から言えることは、ひどくありきたりなものだ。でも、実際にそう感じているのだから、こればかりはもうどうしようもない。つまりバルサとスペイン代表の成功の秘訣は、選手たちがボールの扱いに長けていた、ということに尽きる。

 幸運にも両チームは、ボールを使って美しいプレーを見せることに固執する選手たちに恵まれた。ボールに触れることを大切だと考えず、ダイレクトなフットボールを実践するチームも存在している。

 もちろん彼らにだって敬意を払うが、バルサ、代表チームのスタイルに誇りを感じていることだって、揺るぎのない事実なんだよ。

――しかしルイス・エンリケが指揮を執るバルサは、ポゼッションスタイルにカウンターも織り交ぜるようになりました。

X 一つ頭に入れておかなければならないことがある。ピッチ上でプレーしているのはバルサだけではなく、対戦相手だって良質な選手たちを揃えるレベルの高いチームなんだ。

 だから、ときには難しい試合を戦うこともあるし、前線からのプレッシングが機能せず、後退を強いられることだってある。その際には強固な守備を見せ、ボールを奪った後に前線にあるスペースを生かすことが必然だろう。

 逆に言えば、ボールを取り返して、パスを回しながら相手の後退を待つなど、まったく意味がないことだ。つまり現在のバルサは、ピッチ上で起こるすべての状況に適応しているんだよ。昨季に行われたカンプ・ノウでのレアル・マドリー戦を例に挙げれば、ダニエウ・アウベスがマークを外す動きを見せていたルイス・スアレスにロングパスを出し、ルイス・スアレスは見事なトラップでボールをコントロールして、きっちりとその決定機を生かし切った。

 ダニエウ・アウベスのパスはマドリーに驚きを与え、彼らの守備組織を無意味なものにしてしまったんだ。バルサがこれからも勝ち続けるためには、そういった手段で相手を驚かすことも必要となる。

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