バルサが勝ち続けるにはカウンターも必要
――バルサとスペイン代表が手にした成功の秘訣を、どのように定義しますか?
チャビ・エルナンデス(以下X) 僕から言えることは、ひどくありきたりなものだ。でも、実際にそう感じているのだから、こればかりはもうどうしようもない。つまりバルサとスペイン代表の成功の秘訣は、選手たちがボールの扱いに長けていた、ということに尽きる。
幸運にも両チームは、ボールを使って美しいプレーを見せることに固執する選手たちに恵まれた。ボールに触れることを大切だと考えず、ダイレクトなフットボールを実践するチームも存在している。
もちろん彼らにだって敬意を払うが、バルサ、代表チームのスタイルに誇りを感じていることだって、揺るぎのない事実なんだよ。
――しかしルイス・エンリケが指揮を執るバルサは、ポゼッションスタイルにカウンターも織り交ぜるようになりました。
X 一つ頭に入れておかなければならないことがある。ピッチ上でプレーしているのはバルサだけではなく、対戦相手だって良質な選手たちを揃えるレベルの高いチームなんだ。
だから、ときには難しい試合を戦うこともあるし、前線からのプレッシングが機能せず、後退を強いられることだってある。その際には強固な守備を見せ、ボールを奪った後に前線にあるスペースを生かすことが必然だろう。
逆に言えば、ボールを取り返して、パスを回しながら相手の後退を待つなど、まったく意味がないことだ。つまり現在のバルサは、ピッチ上で起こるすべての状況に適応しているんだよ。昨季に行われたカンプ・ノウでのレアル・マドリー戦を例に挙げれば、ダニエウ・アウベスがマークを外す動きを見せていたルイス・スアレスにロングパスを出し、ルイス・スアレスは見事なトラップでボールをコントロールして、きっちりとその決定機を生かし切った。
ダニエウ・アウベスのパスはマドリーに驚きを与え、彼らの守備組織を無意味なものにしてしまったんだ。バルサがこれからも勝ち続けるためには、そういった手段で相手を驚かすことも必要となる。