今季初の公式戦で結果を出した本田圭佑
やれ競争が多くなって戦力外だ、ミハイロビッチ監督のサッカーには合わないだろうから放出だなどと、地元メディアは本田圭佑に対して散々なことを書き立てていた。ただプレシーズンの対外試合では新戦力のカルロス・バッカやルイス・アドリアーノらと常に組まされ、トップ下が有力と報じられていたジャコモ・ボナベントゥーラを差し置いてこのポジションで起用。
12日のトロフェオTIMでは戦術面で機能し、ミハイロビッチ監督からは「この内容が出来るなら常に試合に出す」という評価まで得た。
そんな調子で来ていたので、17日のコッパ・イタリア3回戦ペルージャ戦の先発起用はなかば順当。肝心なのは攻撃面での結果だったが、ミランとしては初の公式戦で1G1Aだ。良くも悪くも結果しか見ないイタリアのメディアは、得点を決めたか、シュートで直接ゴールを脅かしたかどうかで攻撃的プレーヤーの出来を判断する。
伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の電子版は「サンプドリアからロベルト・ソリアーノを獲得する噂と、トップ下を争うジェレミー・メネズの復帰で危機感が煽られ、彼はゴールを量産していた昨年序盤の姿に戻り、20分間の間に4本シュートを放った」と報じていた。
一方この試合の中継を担当した国営放送『RAI』の解説、パオロ・トラメッツァーニ氏(現在はアルバニア代表助監督)は本田について「もともと素晴らしいクオリティのある選手で、狭い局面での1対1で抜く力があり、遠目からシュートも狙える」と評価。そしてトップ下でのプレーについて「昨季まではサイドで遮断されていたが、このようにエリアに近いところでプレーさせれば良さが出る」とコメントしていた。
もっとも肝心なのは監督の評価である。ミハイロビッチは「本田? ひどいプレーだった」と笑顔で切り出したが、これは活躍したということが前提となっている上でのジョーク。「得点以外でもいいプレーをしてくれた。私は彼に、ポゼッションを演出するように要求していた」と、幅広く動いてボールを触り、パスを動かしていた本田のプレーを評価していた。